2026/03/15 19:15

Karakusa Workのデザインで必ず登場するスクロールについて、スクロールとは何かなど詳しく解説します。
前回のイングリッシュ・スクロール」の渦巻は5mm前後で小さいですが、これより大きい渦巻を「ラージ・スクロール」と呼びます。大きくなった分、細かなディテールを加えることができました。

シェード(陰線)を加えた立体感あるラージ・スクロール
1850年初期のコルト・パーカッション・リボルバーに彫刻されたラージ・スクロールは葉がズングリしています。「ドーナツ スクロール」(DONUT SCROLL)とも呼ばれます。前回の「イングリッシュ・スクロール」も同様なのですが、グレーバー(洋彫タガネ)で彫る線だけで表現可能なデザインであることが重要です。広い面積を彫る必要がなく効率的に彫刻を行えます。銃の硬質なスチールへの彫刻は今ほど容易ではなかったため、工業製品としては必要な事だったのです。

道具の進歩と美しい装飾への要求から、ラージ・スクロールは進化します。葉はスリムになり背景領域が描かれます。彫刻に時間が掛けられ高価であっても求められるようになります。これらは高価なライフルやショットガンの装飾で多く見られます。

参考文献
Roger Bleile「Hand Engraving Glossary」https://www.engravingglossary.com
Ron Smith (2007)「Advanced Drawing of Scrolls」Glendo Corporation
Ron Smith (2008)「Drawing & Understanding Scroll Designs」Glendo Corporation
Robert M.Jordan(2022)「COLT PERCUSSION ENGRAVING STYLES」 Mowbray Publishing